ICL手術とは?仕組み・メリット・デメリットをわかりやすく解説
免責事項: この記事は一般的な情報提供を目的としており、医療行為を推奨するものではありません。視力矯正手術を検討される方は、必ず眼科専門医にご相談ください。
ICL手術とは?
ICL(Implantable Collamer Lens)とは、眼の中に小さなレンズを挿入する視力矯正手術です。「眼内コンタクトレンズ」とも呼ばれ、角膜を削らずに視力を矯正できることが最大の特徴です。
ICLレンズは米国のSTAAR Surgical社が製造する「コラマー」素材でできており、生体適合性が高く、眼内で長期的に安定するよう設計されています。
コンタクトレンズのように毎日の着脱は不要で、一度挿入すれば半永久的に視力矯正効果が持続します。
ICLの仕組み
ICL手術の流れはシンプルです。
- 点眼麻酔を行う(注射ではないので痛みはほぼなし)
- 角膜の縁に約3mmの小さな切開を入れる
- 折りたたんだICLレンズを眼内に挿入
- レンズが虹彩と水晶体の間で自然に広がり、固定される
手術時間は片眼あたり約10〜15分。両眼でも30分程度で終了します。
現在主流の「ホールICL(EVO+)」は、レンズ中央に小さな穴が開いており、眼内の房水(液体)の循環を妨げない設計になっています。これにより、以前は必要だった虹彩への穴開け処置(レーザー虹彩切開術)が不要になりました。
ICLのメリット
1. 角膜を削らない
レーシックとの最大の違いです。角膜を削らないため、角膜が薄い方や強度近視の方でも施術可能です。
2. 可逆性がある(元に戻せる)
万が一合わない場合、レンズを取り出すことで元の状態に戻せます。これはレーシックにはない大きなメリットです。
3. 見え方の質が高い
ICLに使用される「コラマー」素材は生体適合性が高く、ハロー・グレア(光のにじみ)がレーシックより少ないとされています(参考:STAAR Surgical社 EVO ICL製品情報)。
4. ドライアイになりにくい
角膜の神経を傷つけにくいため、術後のドライアイのリスクがレーシックより低いとされています。日本眼科学会の屈折矯正手術ガイドラインでも、ICLの角膜への影響の少なさが示されています。
5. 紫外線カット機能
ICLレンズにはUVカット機能が備わっており、紫外線から眼を保護する効果もあります。コラマー素材自体にUV吸収特性があるため、追加のコーティングなしで紫外線をカットします。
ICLのデメリット・リスク
1. 費用が高い
両眼で50〜80万円程度が相場です。レーシック(20〜40万円)と比べると高額です。ただし、医療費控除の対象となるため、実質的な負担は軽減できます。
費用の詳細は「ICL手術の費用相場まとめ」で解説しています。
2. 白内障のリスク(ごくまれ)
レンズが水晶体に接触し続けることで、白内障が早まる可能性がごくわずかにあります。ただし、現在のホールICL(穴あきICL)では、房水の循環が保たれるため、このリスクは大幅に低減されています。
3. 眼圧上昇の可能性
術後一時的に眼圧が上がることがあります。通常は点眼薬で対処可能で、多くの場合は数日で安定します。
4. 感染症リスク
眼内にレンズを入れる手術である以上、感染症のリスクはゼロではありません。ただし、発生率は0.01%以下と非常に低いとされています(参考:日本眼科学会 屈折矯正手術のガイドライン)。
ICLが向いている人
- 強度近視(-6D以上)の方
- 角膜が薄い方(レーシック不適応の方)
- ドライアイが心配な方
- 将来的に元に戻せる選択肢を持っておきたい方
- 見え方の質を重視する方
ICLとレーシックのどちらが自分に合っているか迷っている方は、「ICLとレーシックの違いを徹底比較」も参考にしてください。
ICLが向いていない人
- 18歳未満の方(視力が安定していない可能性)
- 妊娠中・授乳中の方
- 緑内障や白内障など既存の眼疾患がある方
- 前房深度が浅い方(適応検査で判明)
適応の可否は検査を受けないと判断できません。筆者が実際に受けた適応検査の詳細は「ICL体験記:適応検査レポート」にまとめています。
よくある質問(FAQ)
Q. ICL手術は痛いですか?
点眼麻酔を使用するため、手術中の痛みはほとんどありません。手術時間は片眼約10〜15分で、多くの方が「思ったより痛くなかった」と感じています。
Q. ICLレンズの寿命はどのくらいですか?
ICLレンズは半永久的に使用できます。素材の劣化もほとんどないため、一度挿入すれば基本的に交換の必要はありません。ただし、加齢により老眼が進んだ場合は別途対応が必要になることがあります。
Q. ICL手術は何歳から何歳まで受けられますか?
一般的に18歳以上〜45歳程度までが適応とされています。18歳未満は視力が安定していない可能性があり、45歳以降は老眼や白内障の影響を考慮する必要があるためです。最終的な適応判断は眼科医の検査によります。
まとめ
ICLは「角膜を削らない」「元に戻せる」という安心感がある視力矯正手術です。費用は高めですが、特に強度近視の方にとっては、レーシックよりも適した選択肢になることが多いです。
まずは眼科で無料の適応検査を受けて、自分の眼にICLが合うかどうかを確認することが第一歩です。クリニック選びには「ICLおすすめクリニック比較」も参考にしてください。
参考文献・出典:
- STAAR Surgical社 EVO ICL公式サイト — ICLレンズの製品情報・臨床データ
- 日本眼科学会 屈折矯正手術のガイドライン — ICL/レーシックの適応基準・安全性
- 厚生労働省 医療機器情報 — 日本国内でのICLレンズ承認情報